食中毒の症状が出た患者さんが、医療機関に運ばれてくることはよくあります。看護師として、食中毒の患者さんにケアする場合には、感染予防に配慮することが大事です。なぜなら、サルモネラやノロウイルスなど、感染力が強い細菌やウイルスが原因の食中毒もあるからです。まずは、服装を整えましょう。感染予防の効果が高いマスクや、医療用手袋を身につけることがポイントです。除菌の加工をほどこしたエプロンを着用すれば、安全性が高まりますね。特に、嘔吐や下痢の症状が出ている患者さんに接する時は、注意が必要です。患者さんのケアを行った後は、着ていた服を交換したり、念入りに手を洗ったりして、感染予防の対策をしましょう。手を洗った後に、消毒用のスプレーを使用すれば効果的ですよ。
医療機関を訪れた患者さんの経過観察をしたり、聞き取りを行ったりすることはとても重要です。急に症状が変わることがありますので、顔色や体温、血圧などを定期的にチェックしましょう。また、患者さんが食べたものや、一週間以内の行動を把握することも看護師の役目です。具合が悪くて患者さんが話すことができない場合には、付き添いの家族や身内に質問しましょう。とくに、患者さんの海外渡航歴の有無には要注意です。赤痢菌やコレラ菌など、重篤な症状を引き起こす細菌が原因のケースもあります。しかも、糖尿病や肝硬変などの基礎疾患があると、重症化しやすくなります。患者さんに聞き取りを行う時は、既往症について質問することも大切ですよ。
※参考リンク::看護師は知っておこう!食中毒とは::