食中毒は何らかの有害物質が体内に入り込んで起こる健康被害のことです。一般的には腐敗した食べ物を口にすることで起こる健康被害というイメージがありますが、細菌やウイルスの他、薬品でも食中毒の症状に見舞われることがあります。また、食中毒の症状は個人差があり、同じ物を口にしても症状の程度に違いが生じることは珍しくありません。家庭で起こる食中毒の多くは保管方法を誤り、細菌やウイルスに汚染された食べ物が原因です。食べ物そのものは腐敗していなくても細菌やウイルスが付着し、それによって食中毒の症状に見舞われる可能性があります。悪臭や糸を引くなどの目立つ特徴がない食べ物でも油断はできません。
家庭で食中毒を予防するには何よりもまず、衛生管理を徹底することが重要です。生肉が触れた包丁を使ってサラダ用の野菜を切るなど、杜撰な扱いが食中毒を引き起こすので注意しなければいけません。また、食中毒予防は食べ物を加熱するのが効果的ですが、すべての細菌やウイルスに対応できるとは限りません。特に黄色ブドウ球菌やボツリヌス菌の場合、これらの細菌から生じた毒素が食中毒を引き起こしますが、この毒素は加熱しても分解されません。毒素そのものは無味無臭なので見た目では分からないのも注意点の一つと言えるでしょう。食中毒を防ぐには厳しく衛生状態を管理する他、少しでも疑わしい物は絶対に食べないことが重要です。小さい子どもや高齢者は症状が重篤化しやすいので特に注意します。