一般的に食中毒と呼ばれるものには2つの原因があります。1つは、その物質そのものが体に悪影響を及ぼすもの。もう1つは細菌やウイルスなどの感染により腹痛や下痢や嘔吐、発熱などが起きる場合です。食中毒は家庭でも飲食店でも起こります。2011年に焼肉店で起きた食中毒では、5人の死者を出しました。原因はユッケから検出された、腸管出血性大腸菌O-111でした。その他にも、水からカンピロバクター菌が検出されたり、ポテトサラダのサルモネラ菌を原因とする例もあります。家庭では、おにぎりの黄色ブドウ球菌によるものや、一夜漬けの腸炎ビブリオ菌によるもの、餅つき大会で起きたノロウイルスによる食中毒などが挙げられます。物質を原因とするものでは、キノコ狩りで間違えて毒キノコを食べてしまったり、素人によるフグの調理を原因としたフグの毒テトロドトキシンによるもの、ジャガイモの芽に含まれる毒、ソラニンを原因とするものなどがあります。
食中毒を予防するには、まず、動物や植物に含まれる自然毒について正しい知識を身につけることが大切です。俗説に惑わされないよう注意しましょう。菌やウイルスを原因とする場合には、調理の際、調理器具や手をしっかり洗うことが大切です。食品は早めに食べるようにし、保管は冷蔵庫で。ただし、冷蔵庫の過信は禁物です。ほとんどの菌は高温に弱いため、食品の中心まで十分な加熱を心がけます。帰宅後や食事の前の手洗いも忘れずに行いましょう。